1976年に設立(創業)

KKRは、投資銀行ベア・スターンズでM&Aを手がけていたジェローム・コールバーグら3人が1976年に設立(創業)した。割安な株価の企業をLBOで買収した。その後、買収先の経営陣と協力して企業価値を上げた。それによって、投下資金を回収するという一貫した手法で成長してきた。


RJRナビスコ

KKRが参加した1989年のRJRナビスコのLBOは、総額250億ドルだった。このうちKKRの出資額は56億ドルだった。過去最大のLBOとして注目を集めた。

米国のLBOというと、1980年代に格付けの低いジャンク・ボンド(投機的な高リスク債権)市場での強引な資金調達で名を馳せ、証券取引法違反で逮捕されたマイケル・ミルケンなどが有名だ。

しかし、ミルケンらはいわば時代のあだ花だ。KKRやカーライルなど「きちんとしたLBOファンド」は、ミルケンなどとは違う金融界のエスタブリッシュメント(支配階級)としての地位を確立し、尊敬を集めてきた。

トイザラス

玩具専門店トイザラスの買収でも知られている。利益は公表されていないが、年率30%以上のリターンを生んだといわれている。出資者(顧客)は大手金融機関や巨大年金基金など錚々たる顔ぶれだった。

LBO買収対象の条件

LBOに適した買収対象企業は、以下のような条件をそなえた企業だ。

  • ・低PER(株価収益率)で買収価格が純利益に比べて安く済む
  • ・キャッシュフローが潤沢で借入金を積み増しても買収後に利益が大きく下振れして倒産するリスクが低い
  • ・借入金が少ないかマイナスで借り入れ余力が大きい

これらの条件は、米投資会社スティールパートナーズや日本の村上ファンドなどがターゲットにする企業と共通する。スティールパートナーズなどは主として「売り抜け」を狙うファンドだ。企業再建まで手がけるKKRなどとは異なる。それでもターゲットになり得る企業は共通している。

グリーンメーラーや解体ファンド

KKRのような大手ファンド上陸の裏で、かつて欧米で荒っぽい利ざや稼ぎを得意としたグリーンメーラー(対象企業に株を買い取らせることを目的とした乗っ取り屋)も存在する。最初から企業解体を狙う解体ファンドもいる。